歯のコラム
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質問コーナー2024年秋版 その1
2024.11.08
歯医者に寄せられる質問にお答えします
私は色々な歯科のサイトで質問コーナーに登録しています。たくさんの質問が寄せられるのですが、非常に大量の質問なため応えられるのはほんの一部です。一般的な質問から専門的な質問までありますが、その中からよるある質問の一部についてお答えしたいと思います。
虫歯についてのご質問
Q1 虫歯になってしまい歯科医院で診てもらうと次回削ってつめものにすると言われました。どんなつめものの種類がありますか?
A1 一般的には保険診療では銀歯、CADCAMインレー、CRです。自費治療ではセラミック、ゴールドです。当院の場合は保険診療ですと虫歯の箇所が特定の部位だったり小さい場合はCRです。それ以上の場合は銀歯で治療しています。CADCAMインレーは保険診療に導入されてからあまり期間が過ぎておらずエビデンスが少ないため現在は導入していません。自費診療ですと見えやすい箇所はセラミック、見えにくい場所は色が気にならなければゴールド、気になる場合はセラミックをおすすめしています。
Q2 痛みがないのですが虫歯だと言われました。削る予定です。削らなくて良い方法はありませんか?
A2 痛みがある虫歯というのは割と進行した状態です。ですので初期の虫歯の状態で治療を行った方がよいでしょう。ただ、歯の一番外側のエナメル質という非常に硬い層の中で留まっている虫歯に関しては予防歯科では削らずに管理していくことを薦めています。予防歯科といってもただ検診をするのではなく、口腔内の細菌の検査などを行うプロトコルに則った予防歯科です。キシリトールやフッ素を使って初期むし歯を管理していくことで削らずに状態をキープします。これは予防プログラムを作成して歯科衛生士と患者さんで一緒に取り組む必要がありますので取り組んでいる歯科医院でご相談ください。当院でも行っております。
Q3 奥歯の虫歯を削ってつめものをしたのですが噛むと痛いです。治療ミスでしょうか?
A3 治療ミスというのは非常に強い言葉だと思います。通常の治療の流れにおいて起きうることは治療ミスではないため安易に使わない方が良いかと思います。話が逸れましたがつめものの治療後に噛むと痛いという場合はまず2つの理由が考えられます。1つはつめものに強く力がかかっているケースです。これはレジンであっても銀歯やセラミックであっても起こりうることです。かみ合わせの調整を行うことで軽快することがほとんどです。もう1つは神経の温存を試みて治療をしたが、神経に炎症が起きたため痛みが出ているケースです。これは元々の虫歯が深いところまで進んでいたり、神経に近いところまで虫歯だったりすると起こりうることです。神経を温存した方が歯の生存率が高いため神経の温存を試みることが現在では一般的です。ですが状態によっては結果的に神経の温存ができないことがありこの場合は痛みがでるため神経を抜く治療が必要になります。歯科医師によってはこのような症状は全て神経を抜いてしまう方針の歯科医師もいるため、どちらが良いとは一概に言えないのですが先に神経を抜いてしまえば治療後すぐに痛みが出ることがないため患者さんからのご不満は出にくいといえます。この場合は神経を抜く治療=根管治療 の精度がその後の歯の生存率に関わるためその点についても注意が必要です。まずは主治医とご相談されるのが良いかと思います。
Q4 歯が痛いのですがレントゲンを撮りたくありません。治療できますか?
A4 安全に治療を行うにはレントゲンを含め検査を行う必要があります。そのためレントゲン無しでの治療ができるかできないかは診察している主治医の判断となります。診察前にレントゲン無しでというご要望がある場合は「わかりません」としかお答えできないのが本当のところです。実際に診たうえで必要があるか無いかの判断をするわけですね。ただ歯科のレントゲンによる被ばく量は非常に低いものですのであまり気にする必要は無いかと思います。それよりもレントゲン無しで治療をすることの方がリスクがあると個人的には思います。笑い話ですが国際線で旅行をする際の被ばく量の方がレントゲンより多いと言いますね。
Q5 虫歯があると言われたのですがそのまま特に説明もなく歯を削られました。普通の事でしょうか?
A5 歯を削られるという表現は少し誇張しているように感じます。不満があるケースで削られたという表現を良く耳にする気がします。このようなことにならないように事前の説明があってしかるべきですが、歯科医師によっては説明が足りない人もいるかもしれません。わからないことはご自身でも質問し納得した上で治療をうけることをおすすめいたします。ちなみに当院では治療のご説明はしっかりとさせていただいていると思っているのですが、足りなければいつでも構いませんのでお声がけください。ご説明に時間がかかりすぎてしまうこともありますのでお時間が無い時はその旨お伝え頂ければと思います。急に帰るお時間をおっしゃられてこちらも慌ててしまうこともあります。反省。
またこういったトラブルにならないためにも説明をする歯科医院が多い様に個人的には思います。
Q6 虫歯の治療をしたいのですが家の周りにはあまり歯医者がありません。職場近くの都市部で治療した方が良いですか?
A6 都会の歯科医師の方が腕が良いとか、田舎の歯科医院は古くて通いにくいとかそういったお話を聞くことがあります。これについてはもう質問者さんのイメージとしか言いようがありません。歯科には色々な分野があって、虫歯の治療のなかでもセラミックが上手な先生、神経の治療が得意な先生、矯正の専門家、予防歯科の分野でトップを走る先生、と全てが東京や大阪、札幌、横浜といった都市で開業しているわけではありません。歯科医師向けの技術セミナーを行っている先生についても同じです。東京で言えば銀座や表参道、青山に開業している先生ばかりじゃないということです。逆に言えばそれらの地域の先生が全て名医ということでもありません。そして名医の定義も非常に難しいのですが、技術だけで判断されにくいようにも思います。説明する際の表現のうまさや表情、医院の内装や白衣のデザインといった総合的なもので判断されているのではと思います。歯科医院の口コミを見ると「とてもきれいな医院で」「内装がサロンのようにおしゃれで」といったものも目にしたことがあるのではと思います。業界の有名なすばらしい技術を持つ先生であってもネットの口コミではあまり評価されていないこともよくあります。
一つ言えることは虫歯の治療も歯周病の治療も、それらの予防も「通わなければ達成しない」ということです。キャンセルしないか、変更しないか、ちゃんと通えるかということが非常に大事だと思います。どんな名医も来ない患者さんを治すことはできないからです。まずは無理なく通える歯科医院なのかということはご検討されてからご予約されることをおすすめします。仕事の関係で診療時間の最後の時間にしか間に合わない方が残業になる可能性がある場合はやはりお仕事お休みの日に通える歯科医院の方が良いのではと思います。そして治療を受ける中で疑問が出たらご相談し、場合によっては転院すれば良いと思います。セラミック治療をやっていない先生やインプラントをやっていない先生の診察を受けていてセラミック治療やインプラント治療をご希望される場合は転院するしかないわけです。気持ちよく紹介状を書いてくれる先生の方が多いと個人的には思います。
その2に続きます。