歯のコラム
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ホワイトニングと審美治療:効果的なホワイトニングとは?
2023.12.01
歯科医院で行うホワイトニングとホワイトニングサロンの違い
年末になってきて色々なイベントが近くなって来たからなのかホワイトニング希望の患者様が多くなってきました。ホワイトニングは治療と関係が無いと考えている方が多いのか、興味のない方は一度も行わないまま一生を過ごすのですが、確かにホワイトニングをしなくても機能面において影響はありません。
しかし、歯というものは他人からとても見られるところですので気にされるかたは非常に多いです。昔はなかった自分で行うホワイトニングサロンも多くなっています。ホワイトニングを行う場合どこで行うのが良いのかということはわかりにくいかもしれません。ホワイトニングはオフィス、ホーム、セルフホワイトニングサロンで使える薬品に違いがあります。オフィスホワイトニングは過酸化水素や過酸化尿素の35%程度、ホームホワイトニングは過酸化水素や過酸化尿素の低濃度10%程度、セルフホワイトニングはポリリン酸となります。ポリリン酸は効果が弱いですが安価でホワイトニングを行えるという利点があります。
ホワイトニングを歯科医院で行う利点とは
ホワイトニングをしたいと思った時、何か理由があるのではないでしょうか?例えば、「コーヒーを良く飲むので歯が着色してしまった」「仕事柄赤ワインを良く飲む」「昔ぶつけた前歯が1本黒くなってきてしまった」「歯と歯の隙間に虫歯が出来て、レジンで治したが歯の色と差が出てきてしまった」などなど様々な理由でホワイトニングを検討されています。歯科医院でのホワイトニングはそういった様々な理由に対して適切なホワイトニングのご提案ができます。お手軽なセルフホワイトニングも良いですが、専門家によるカウンセリングがある歯科医院のホワイトニングはより具体的に目標に対して計画を立てて進めることが出来る点があります。
ホワイトニングのメカニズム
学生時代に化学が得意だった方はわかるかもしれません。少し難しいお話になります。歯の表面についている着色の原因の物質は高分子です。ホワイトニング剤の過酸化水素は非常に不安定な物質なので酸素と水に分解されます。(学校の理科の実験でやったことを覚えている方もいるのでは?)分解される際にフリーラジカルが発生し、高分子の物質を分解するのですが透明な分子に分解するため、結果的に色が白くなります。歯の変色には色々な原因がありますが、金属による変色の場合はこの作用が働かないため白くなりません。
クリーニングやセラミック治療との違い
テレビやネットで見る有名人の中にはとても歯が白い人が多くいます。これは多くの場合ホワイトニングによる白さではありません。ジルコニアという素材で作った人工の歯です。歯を削り中心を残して周囲を覆うタイプのジルコニアクラウンというかぶせものを装着しています。とても白いので自然な白さではないのですが、画面移りの際にとても目立つため装着されている方が多いです。また一般の方でもあこがれから同じような治療をされている方も多いです。
それよりも少し自然な透明感のある白さの歯はセラミックのかぶせものやラミネートべニアといった歯の表面に薄いセラミックを張り付ける治療です。セラミックとジルコニアは大きく言えばセラミックなのですが、ジルコニアの方が強度が高く光をあまり通しません。セラミックはジルコニアより強度は劣りますが光を通す性質があるため透明感がでます。自分の歯も光を通すため自然な仕上がりを求める方はセラミックを選んでいます。
PMTCやエアフロー、ジェットクリーニング、パウダークリーニングという治療があります。これは歯科医院によって名称や治療の内容が違うのですが、おおまかにいえば細かい粉を歯に吹き付けて着色を落としています。歯の表面の汚れを取るため歯が白くなったように感じます。実は自分の歯の色に戻っているのですが汚れが無い歯は個人差はありますが自然な白さがあります。
ホワイトニング以外にもこれらの治療で歯を白くすることができます。こういったご相談が出来るということが歯科医院でホワイトニングを受ける利点の一つと言えるでしょう。
神経を抜いた歯の変色
歯の神経は歯に水分を補充するという役割があります。その為神経を抜いた歯は硬さの質が変わり硬いが欠けたり割れたりしやすくなります。基本的には周囲を全て覆うかぶせものの治療になります。前歯等で元の歯が多く残っている等の理由からかぶせものにせず、一部に穴を開けて神経を抜きその後穴をふさいで治療を終了することがあります。こういった歯は変色して周囲の歯と色の違いが目立ってきます。今はもう綺麗な白い歯になっていますが、お笑い芸人の方で前歯の神経が死んでいることをネタにしている方がいますのでもしかしたら想像しやすいかもしれません。こういった歯に行うホワイトニングはウォーキングブリーチと言う治療法です。歯の内部に薬剤を入れて内部から白くします。これも歯科医院でのみ行うことができる治療法です。全体的に白くしたいという場合は神経があるかないかといったところも気を付けた方が仕上がりがきれいになります。
レジン前装冠の変色
保険診療で行う神経を抜いた歯に対するかぶせものの治療はレジン前装冠という治療です。これは簡単に言えば金属のかぶせものの表面に白いプラスチックを張り付けたものです。ですので長期間使用していくとプラスチックが変色していくので周囲の自分の歯と色の違いが目立つようになってきます。この変色はホワイトニングでは白くなりません。また保険診療では虫歯や歯の根の炎症といった病名がなければ治療ができないため、見た目といった審美的な問題はクリアできませんし、安易な治療のやりなおしは歯の寿命の観点からもおすすめできません。もしホワイトニングを考える場合はセラミックやジルコニアといった素材への作り直しも含めた審美治療の計画を立てることをおすすめいたします。
レジン治療が行われている歯のホワイトニング
レジン治療は銀歯のつめものと違いその日のうちに治療が終わる、白い素材である、といったことから非常に人気のある治療法です。初期の虫歯にはとても良く、歯と歯の隙間の小さな虫歯の治療に使うことも多いです。この治療法もレジン前装冠と同じく長期間使っていると変色してきます。そのためそのままホワイトニングをした場合、レジンの部分だけ白くならないので修復痕がめだってきてしまうことがあります。この場合も審美的な治療計画が必要となります。
歯を白くするということ
歯の白さというのは色見本のような指標もあるのですが、患者様が納得できるかどうかといった主観の問題でもあります。単純に歯を白くしたいというご要望も「自分の歯を白くしたい」「歯の汚れを取ってもらいたい」「芸能人のような白さにしたい」「神経を抜いた歯の色を白くしたい」「歯の間のつめものの色が気になる」「神経を抜いた歯の前装冠が目立ってしまっているのが気になる」など色々なものがあり、それぞれ治療法が違います。また、その際に歯肉の状態も健康なピンク色の方が良いでしょう。機能面が満たされているということも前提として必要です。ご要望についてしっかりとお話をお伺いして、ご希望に沿った審美治療ができるようにと考えております。気になることやお悩みがあれば是非一度ご相談ください。