歯のコラム
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歯を抜いた後の治療はどうする?
2022.10.13
今年の夏はとても暑いですね。せっかくの夏ですが、あまり外に出る気になれず家の中にいることが多いこの頃です。
さて、今日は抜歯後の治療方法についてお伝えしようと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、歯科医院での治療を控える方が多いように思います。
しかし、治療すべき歯を放置してしまうと抜歯の可能性が高まってしまいます。計画的に治療をしたほうが良いですね。
抜歯後の治療は大きく分けると以下の3つです。
- 入れ歯
- ブリッジ
- インプラント
メリット・デメリットと合わせて、それぞれ解説していきます。
入れ歯のメリット、デメリットは?
入れ歯に対して抵抗がある方はとても多い様に思います。接客業や営業の方、人前で話すことが多い方など、他人の目が気になるという理由で敬遠されることがあります。毎日入れ歯を外して手入れをする必要があり、手間がかかることも敬遠される理由の一つです。また、噛む力が弱くなるのではないかと懸念される方もいます。
入れ歯の治療は歴史が長いこともあり、デメリットは患者さんのイメージ通りと言えるかもしれません。
入れ歯のメリットは、保険診療で行うと費用が安いことが挙げられます。また、調整があまり必要ない場合は治療期間が短く済みます。
入れ歯には自由診療のものもあります。ノンクラスプデンチャーは金属の留め金がない入れ歯です。ピンク色の歯肉に近い樹脂と白い人工歯で作るので、見た目が自然です。
入れ歯については詳しくお話すると長くなってしまいますので今回は割愛しますが、自由診療の入れ歯は費用がかかることは覚えておきましょう。
入れ歯のメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。
保険診療の入れ歯のメリット
- 費用が安い
- 治療期間が比較的短い
保険診療の入れ歯のデメリット
- 金属の留め具が見えることがある
- 毎日の手入れが必要である
- 噛む力が弱くなる
- 温度がわかりにくくなる
- 留め金をつける際、隣の歯を少し削る可能性がある
- 隣の歯に力をかけるため、歯に悪影響を及ぼす可能性をがある
- 入れ歯の場所によっては、反対側の歯まで留め金を長く作る可能性がある
自由診療の入れ歯のメリット
- 保険診療の入れ歯より自然な見た目になる可能性が高い
- 金属を使ったものは薄く作ることが可能で、使いやすい
- 金属を使ったものは温度が伝わりやすい
自由診療の入れ歯のデメリット
- 保険診療の入れ歯に比べるて費用が高い
- 樹脂で作られているノンクラスプデンチャーは、ある程度の修理は可能だが寿命がやや短い
- 金属を使ったものは口の中の状態が変わると合わなくなり、作りなおしになるため費用が掛かる
- 毎日の手入れが必要である
ブリッジのメリット、デメリットは?
ブリッジ治療は、失った歯の両側の歯を土台にして橋を架けるように人工の歯を装着する治療です。ブリッジという名前のとおり、両側の歯に「橋」を架ける必要があるため、土台となる歯の状態が肝心といえるでしょう。
もし土台の歯が健康だとしても、削らなくてはいけないというのが一番の特徴でしょう。歯は何も削らず、産まれたままの状態が良いとされていますので、削ってしまうと、その歯の寿命に悪い影響を与えてしまいます。
また、場合によっては神経を抜く可能性もあります。1本の歯を抜いたために両側の2本の歯も削らなくてはならないのですが、個人的にはリスクが高い様に思います。
土台の歯に何か問題が起きた場合は、ブリッジを外したり切断する必要があります。また、土台の歯を抜歯する場合、ブリッジは長くなってしまうのですが、場合によっては長いブリッジを作ることができない可能性もあります。
連鎖的に歯を失う可能性があるということもブリッジ治療の特徴と言えるでしょう。
審美面で考えると、条件はありますが銀歯の前面に白いプラスチックを貼り付けたものか、銀歯がよいでしょう。
しかし、白いプラスチックは経年で変色します。また、内面が金属なので自分の歯のような透明感はありません。
では、長く使えるブリッジ治療を行いたい場合はどうすれば良いのでしょうか。
おすすめは、保険診療の素材ではなく自由診療の素材を使うことです。ジルコニアブリッジは、保険診療のブリッジより土台の歯が虫歯になるリスクを下げます。見た目についても、自分の歯のように自然に作ることができます。どちらも土台の歯と失った歯の合計金額が必要になりますので、治療費は高いと言えるでしょう。
余談ですが、延長ブリッジという治療法があります。これは、抜歯部分が最奥歯で、両隣の歯が存在せず手前側の歯のみが存在する場合に行う治療ですが、手前側の歯に延長ブリッジを装着するため、ブリッジが飛び込み競技の踏切板のような状態になります。踏切板は力が掛かるとたわむように、抜歯部分には負担がかかります。また、土台となる手前側の歯にも、抜歯しなくてはならないほどの負担や影響が出てきてしまいます。
治療後のトラブルが多いため、当院では延長ブリッジは行いません。
ブリッジのメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。
保険診療のブリッジのメリット
- 治療期間が短い
- 入れ歯に比べて手間がかからない
- 噛む力が強い
保険診療のブリッジのデメリット
- 費用がやや高い
- 土台の歯に問題が起きる可能性がある
- 再治療時には外して作りなおしが必要である
- 連続して歯を失う可能性がある
自由診療のブリッジのメリット
- 治療期間が短い
- 自分の歯と同じような自然な見た目に作ることができる
- 手入れが必要な入れ歯に比べて手間がかからない
- 噛む力が強い
自由診療のブリッジのデメリット
- 治療費が高い
- 土台の歯に問題が起きる可能性がややある
- 再治療時には外して作り直しが必要である
インプラントのメリット、デメリットは?
インプラントは最近の治療方法と思われがちですが、歴史自体は古く、1900年代初頭から研究されていた治療です。残存した過去の治療データの蓄積が活用され、成功率も高い治療といえます。
インプラント治療を簡単に説明すると、歯茎を切り、顎の骨を露出させ、穴をあけてチタンのねじのような器具を埋め込み、器具が骨と定着するのを待ち、人工の歯を装着する手術を行います。器具と骨が定着するまでは早くて2.5か月程度かかりますが、自分の歯のように使えるため人気の治療といえるでしょう。
「手術の際に痛みがあるのではないか?」と心配する方がいますが、麻酔をして行うので、強い痛みを感じる方は少ないです。
インプラント治療で大切なことは、顎の骨の状態です。
骨の状態は人それぞれですが、一般的には、歯が炎症を起こしていた時期が長いと骨が溶けてしまい、インプラントをするのに適さない状態になってしまいます。その場合、骨を増やす処置を行う必要があります。
また、手術後は定期的なメンテナンスが必要となります。これはインプラント周囲炎を防ぐために非常に大切なことといえます。自分の歯が歯周病になるのと同じように、インプラント治療を行った人工の歯もインプラント周囲炎という炎症を起こすことがあります。症状によってはインプラントの除去が必要になってしまうため、インプラント治療後には必ず定期的なメンテナンスを行いましょう。
インプラントのメリットとデメリットをまとめると、以下のとおりです。
インプラントのメリット
- 自分の歯のように使うことができる
- 入れ歯のように毎日取り外してメンテナンスを行う必要がない
- 噛む力が強い
- 自分の歯のように自然に見える
- ブリッジのように隣の歯を削る必要がない
インプラントのデメリット
- 費用が高い(骨の状態が悪いと追加の費用がかかる)
- 定期的なメンテナンスが必要である
- 加齢等により歯茎が痩せてくると、土台の金属部分が見えることがある
- 今回は、抜歯後の3つの治療法について解説しました。
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